鉄スクラップ分類表と等級ごとの違い
鉄スクラップは発生源や形状、純度などに基づいて複数の等級に分類されており、それぞれに流通市場での役割や価値が異なります。スクラップ取引の現場では、この等級によって取引価格、搬入時の検収基準、再利用工程のコストが大きく変わるため、等級の違いを理解することは重要です。とくにH1、H2、H3といった呼称や「特級」「甲山」などの表記は、業界内で広く用いられ、日常的に比較されています。
| 等級名 |
形状・特徴 |
発生源例 |
評価基準(代表的傾向) |
| H1 |
厚みが6mm以上の重厚な鉄片 |
建築鋼材、鉄骨部材 |
高強度、再溶解時に効率的 |
| H2 |
厚みが3〜6mmの鉄片 |
一般家庭・建築解体現場 |
中程度の密度と扱いやすさ |
| H3 |
厚みが3mm以下の軽量鉄くず |
家電フレーム、鉄板薄物 |
軽量、かさばりやすく評価はやや低め |
| 特級 |
規格外の高純度スクラップ |
製造副産物など |
極めて純度が高く流通量は少ない |
| 甲山 |
高品質な工場系スクラップ |
自家発生スクラップ |
安定供給が可能、再生効率が高い |
鉄スクラップの等級は流通・買取価格・リサイクル工程すべてに影響を与える要素です。業者と取引する際には、等級に応じた処理・搬出方法を理解し、正確な分類でスムーズな検収を受けることが、結果としてコスト削減にもつながります。等級の違いを理解することは、鉄スクラップを有効活用する第一歩といえるでしょう。
市中スクラップと自家発生スクラップの違いとは
鉄スクラップは、その発生源によって大きく「市中スクラップ」と「自家発生スクラップ」に分類されます。この違いは、スクラップの品質・安定供給の可否・再利用時の手間やコストなど、リサイクル工程全体に大きく影響します。製鋼所や回収業者にとっては、どのタイプのスクラップかを明確にすることが価格評価や検収対応の根拠となるため、鉄スクラップを扱う上では必ず理解しておきたい分類です。
| 分類 |
市中スクラップ |
自家発生スクラップ |
| 発生場所 |
建設現場、解体現場、家庭、一般事業所 |
鉄鋼メーカー、金属加工工場 |
| 発生のタイミング |
製品の使用後、または建物などの解体時 |
加工工程の副産物として日常的に発生 |
| 品質・純度 |
不純物混入の可能性あり、ばらつきが多い |
高純度で安定、混入物が極めて少ない |
| 規則性・安定性 |
排出量・品目が不定期で予測しにくい |
定期的・大量に発生し、供給が安定している |
| 再利用の難易度 |
検収・選別・前処理の手間がかかる場合がある |
そのまま再資源化しやすく、製鋼所で重宝される |
| 主な活用先 |
地場のリサイクル業者、スクラップヤードなど |
製鋼所、一次鉄鋼製品の素材 |
鉄スクラップに含まれる代表的な素材例(鉄筋・鋳物・ダライ粉)
鉄スクラップは一括りに「鉄くず」と呼ばれることがありますが、実際には多種多様な形状や用途、性質を持つ素材が混在しています。スクラップの分類や等級を理解するうえで、この「含有素材の特性」を把握することは重要です。鉄の再資源化は素材の特性に大きく依存するため、正確な分類と適切な処理が求められます。代表的な素材として知られるのが「鉄筋」「鋳物」「ダライ粉」の3種です。これらはそれぞれ物理的性質、発生場所、取扱い上の注意点が異なり、スクラップの品質や価値にも直結します。
| 素材名 |
特徴 |
主な発生場所 |
再資源化上の注意点 |
| 鉄筋 |
細長く湾曲した高強度の鉄棒 |
建設現場、解体工事 |
コンクリートの付着物や錆に注意 |
| 鋳物 |
熱して型に流し込んだ複雑な形状の鉄部品 |
機械部品、マンホール蓋など |
破損しやすい、溶解温度が他と異なることがある |
| ダライ粉 |
金属加工時に発生する細かい鉄の削りくず |
機械加工現場、旋盤・フライス工程 |
酸化しやすく火災リスクあり、保管管理が重要 |