ピカ銅・1号銅・雑線・被覆線の違いとその価値比較
銅線スクラップは、その性質や形状、不純物の有無などによって細かく分類され、買取価格に大きな差が生じます。特に代表的な4種類「ピカ銅」・「1号銅」・「雑線」・「被覆線」については、金属リサイクル市場でも需要が高く、それぞれの価値と特徴を理解することが重要です。
以下の表は、それぞれのスクラップの種類と特徴、取り扱い方法、現在の単価の目安を一覧にしたものです。
種類 |
特徴 |
主な用途例 |
不純物の有無 |
買取単価目安(kg) |
注意点 |
ピカ銅 |
表面に酸化や被膜がなく、完全に裸で光沢がある銅 |
高純度導線、配線用 |
なし |
約1350円〜1450円 |
少量でも高価、切断不要 |
1号銅 |
わずかな酸化やくすみはあるが、被覆がない銅 |
工事後の銅配管など |
微量 |
約1200円〜1300円 |
ピカ銅との混在で減額の可能性 |
雑線 |
銅含有のケーブルで、被覆が取り除かれていないもの |
電線、LANケーブル等 |
多い |
約300円〜600円 |
銅含有率が査定に大きく影響する |
被覆線 |
外装樹脂やビニールで覆われた電線 |
家庭用・工業用配線 |
非常に多い |
約150円〜350円 |
剥線処理が必要で、手間がかかることも |
ピカ銅は買取価格が最も高く、「銅・1g・今日」の相場に近い価格が反映される場合もあります。これは酸化や被膜がないことで銅純度が非常に高く、再加工がほとんど不要であることが理由です。一方、雑線や被覆線は樹脂や不純物が多く、加工・仕分けの手間が発生するため買取価格は低めに設定されています。
さらに、銅スクラップの分類は業者によって異なる基準を採用していることもあります。例えばある業者では「1号銅」として扱われる銅線が、他では「2号銅」または「並銅」とされる場合もあります。持ち込み前には、可能な限り写真や品目の情報を提示して問い合わせることが重要です。
現在、銅の価格は「銅・高騰・いつまで」という言葉が注目されるほど市場価格が上昇傾向にあります。特にピカ銅のような高品質スクラップの取扱量を増やすことは、より高い収益につながります。
種類別!代表的スクラップ分類とkg単価
銅線スクラップの種類は非常に多く、それぞれに応じた分類基準が存在します。分類を正しく理解して分別することで、業者からの査定額を最大限に引き出すことが可能になります。本セクションでは、代表的な銅線スクラップの種類を、実際の写真に基づいた特徴とともに紹介し、現時点のkg単価相場を含めて解説します。
代表的銅線スクラップ分類と単価一覧
分類名 |
見た目の特徴 |
買取価格目安(kg) |
主な排出元 |
ピカ銅 |
赤銅色で光沢があり、被膜や酸化がない |
約1350円〜1450円 |
新品銅線の切れ端、工事残材 |
1号銅 |
少し酸化ありだが、被膜なしで曲げやすい |
約1200円〜1300円 |
古い電設資材、住宅解体現場など |
2号銅 |
酸化や被膜、付着物あり、色が鈍く黒ずんでいる |
約900円〜1050円 |
旧配管、くず銅、古設備 |
雑線(Fケーブル含む) |
外装が樹脂またはビニールで覆われている |
約300円〜600円 |
電気工事後の配線、家電線 |
家電雑線 |
薄い被覆があり、内部に細い銅線が数本通っている |
約200円〜400円 |
エアコン、テレビ、洗濯機の内部配線 |
焼却銅 |
熱処理により黒ずみ、表面に煤や不純物が残っている |
約600円 〜900円 |
焼却処理後の電線、廃材処理場 |
被覆線(中太) |
中程度の厚みの絶縁被膜を持つ電線 |
約150円〜350円 |
工場設備、空調設備配線 |
焼き線 |
焼却済みの状態で硬化し、変形しやすい |
約300円〜500円 |
不正処理や野焼きされたケーブル類 |
スクラップ業者によって分類名称が多少異なることもありますが、価格に大きな影響を与える要因として共通しているのは以下の通りです。
- 不純物の有無(例.被膜、油分、煤)
- 銅の含有率(銅線の比率)
- 焼却・劣化などの処理履歴
- 金属部分の酸化・変色状態
- 被覆の厚さや素材(PVC、エナメル等)
なお、最近では写真での事前見積もりを受け付けているヤード業者も増えており、「写真」・「品目」・「kg数」の3点セットをスマートフォンから送信すれば、事前におおよその買取価格が分かる場合もあります。このようなデジタル対応を活用することで、査定ミスやトラブルを防ぐことにもつながります。