カレーと晩酌
カレーが好きではないというと、たいてい驚かれる。
相手の表情からは、「この人変わってるなぁ。残念なひとやなぁ。」といった否定的な心情が読み取れる。そして、かなりの確率で、何故好きでないのかを説明させられる。
理由は簡単で、一品で完結する料理が好きでないのだ。
メインの料理の他に、小鉢がいくつかある「おかず」が良いのだ。つまり酒の肴になるおかず。
しかし、この理由でも共感してくれる人は少ないとは感じていた。
最近の若い人は、アルコールを吞むときに、カレーだろうがオムライスだろうが、あまり拘りが無いような印象だ。
どの世代なら通じるのかと思い、もうすぐ還暦を迎える知人に、カレーが好きでないことと、その理由を話してみた。全く共感を得られない。
60代も駄目かと思った。
ただ、カレー談義をしている内に、3年前に85歳で亡くなった父親のことを思い出したようで、「そういえば、父は仕事から帰ってきて晩御飯がカレーだと知ると凄くいやがってたなぁ。あれはそういう理由からだったのか。」と懐かしがっていた。
カレーの話をしてから、用事で使いに行くと、絶妙の位置に「贅沢牛すじカレー」の箱が並んでいた。二つ買って、休日の昼に一つ食べた。
おろし生姜が効いた和風味で、期待以上の美味だ。昼で良かった。副菜はオニオンスライス。冷たい水を飲む。
夜は、年末に買い込んだ鶏肉がまだ残っていたので解凍し、半分はから揚げに。残りは、山で収穫した蕨とうすあげ、ニンジンを一緒に炊き込んだ。これと冷奴。・・・ビールに合う晩御飯はやはりこれだった。